中卒だけど税理士になりたい!
高卒で税理士になる手順が知りたい!
こんな悩みに、中卒・現役税理士受験生の筆者がお答えします。
筆者も日商簿記2級の延長で、税理士という職業を知りました。
そこで「中卒でもなれるのか?」と疑問に思いました。
2025年現在、受験10年目の筆者ですが「中卒・高卒でも税理士にはなれる」と断言します。
この記事では、その理由と筆者が行った具体的な手順を解説します。
この記事がおすすめなのは
- 中卒・高卒から税理士資格を取得して人生を変えたい方
- 簿記2級からステップアップを考えている方
- 会計事務所・経理職へ転職を考えている方
中卒・高卒で税理士になるには?筆者が行った具体的手順!

筆者が行った手順は、以下のとおり。
受験資格のために、日商簿記1級に合格する
筆者が税理士試験の受験を開始したのは、10年前。
後述する受験資格撤廃の改正前だったので、そもそも税理士試験を受けることができませんでした。
受験資格のために、日商簿記1級を1年半かけて取得。
難しい資格ですが、会計業界への転職なら最強の資格です。
Xで簿記1級合格者に実施したアンケートでは、約3割が合格後に年収1,000万を達成。
合格後、会計事務所に転職
簿記1級に合格して、ホワイト会計事務所に1発採用。
記事執筆時点(令和7年)より圧倒的に就職・転職が難しい時代でしたが、未経験でも余裕で転職できました。
会計事務所で実務要件2年を満たす
税理士試験に合格しても、実務経験が2年以上無いと税理士登録できません。
税理士を目指すなら、会計事務所への転職は必須です。
会計事務所を退職し、受験専念
転職した会計事務所で、7年の実務経験を積みました。
登録のための実務要件は満たしたので、勇気を出して受験専念することに。
働きながらの受験生活は、本当に大変です。
令和7年現在では、会計科目の受験資格が暖和されたので「最新版の手順」をおすすめします。
税理士試験の受験資格の暖和
改正前の受験資格とは?
令和4年の税理士法改正により、令和5年度の税理士試験から受験資格要件が大幅に暖和されました。
これまでは「高卒・旧中卒」は、要件を満たさないので受験資格がない状況でした。
改正前は「高卒・旧中卒」の場合は受験資格として、「日商簿記1級又は全経簿記上級」に合格する必要がありました。
改正後の受験資格とは?
改正により簿記論・財務諸表論といった会計科目は、誰でも受験可能になりました。
つまり日商簿記1級・全経簿記上級を経由せずに、いきなり税理士試験にチャレンジできます。
税法科目は改正後でも、中卒・高卒では受験資格がありません。
それでも会計事務所で2年働けば大丈夫。詳細は次の章で解説します。
会計科目とは?
簿記論・財務諸表論の2科目のこと。誰でも受験可能。
税法科目とは?
法人税などの9科目。改正後でも受験資格が必要。
【最新版】中卒・高卒で税理士になるには?手順を解説

中卒・高卒で税理士になるまでのロードマップ
仮に今から筆者が、税理士を目指すならこうします。
これから税理士を目指すなら、日商簿記1級・全経簿記上級は不要。
以下、詳しく解説していきます。
日商簿記2級まで合格する
まずはここから。
日商簿記2級は最近難しくなっているみたいですが、まだまだ「誰でも合格できる資格」です。
本気で勉強すれば、数ヶ月で合格可能。
転職エージェントに登録する
中卒・高卒で税理士になるには
の両方を満たす必要があります。
転職は若いほうが有利です。
Xで実施したアンケートでも、日商簿記2級があれば会計事務所に転職できるという回答が55.7%ありました。
日商簿記2級に合格したら、すぐに転職エージェントを利用して転職活動していきましょう。

転職エージェントを使えば、学歴要件なしの求人をすぐに紹介してくれます。
会計事務所に転職する
未経験で会計事務所に入ると、なかなかツラいですが税法の受験資格のために2年は頑張りましょう。
会計科目の勉強を始める
会計事務所に転職できたら、会計科目の勉強を始めましょう。
目標は2年で簿記論・財務諸表論の2科目合格。
2年の実務経験で税法の受験資格を得る
会計事務所で2年働けば、以下が得られます。
これで学歴は、関係なくなりました。
あとは税法科目に合格するだけです。
税法科目の勉強を始める
税法科目は会計科目と比較して、合格するのは大変です。
税法科目では、専門学校は必須。
税理士試験合格者に占める中卒・高卒の割合とは?

中卒・高卒の税理士は多い
令和5年度の税理士試験の合格者の中で「高校・旧中卒」は、「大学在学中」の次に高い合格率になっています。
税理士試験や日商簿記の試験範囲で、「学歴がないから対応できない」というものはありません。
基本的な四則計算ができれば問題ありませんよ、全然無理じゃないです。
四則計算とは?
「足す・引く・かける・わる」の4つをあわせて“四則計算”という。
試験に必要なのは国語力
税理士は税金の計算をする仕事なので、勘違いされやすいですが。
試験で難しい計算ができる必要はありません、計算力は中学レベルで充分。
必要なのは文章を理解する力、分かりやすく説明する力。
つまり国語力です。
中卒の筆者でも、科目合格できているので心配いりませんよ
大切なのは人生を変えたいと本気で思うこと
個人的にはむしろ「高卒・旧中卒」のほうが
何としても合格して、人生変えてやるぜ!
みたいな「雑草魂」を感じます。
大切なのは本気で勉強に取り組むこと、そして諦めずに継続することです。
筆者もなんだかんだで10年、受験生活を続けました。
学歴中卒の税理士先生
筆者がTwitterで普段交流している税理士先生にも、学歴中卒の先生がいます。
税理士になってしまえば、学歴なんて関係ありません。
- 山﨑光夫先生・・・Twitterアカウントはこちら
- はなまる先生・・・Twitterアカウントはこちら
【中卒・高卒で税理士になるには?】筆者の転職体験談

中卒・資格無しの転職事情
「中卒・30歳手前・保有資格なし」の状態では、転職市場での価値はほぼゼロです。
そんなわけで何か資格を取ろうと思い、友人のススメで「日商簿記2級」を目指すことに。
日商簿記2級に1発合格し、会計業界の転職市場を自分なりにリサーチしてみました。
が、やっぱり「中卒」がネックになり学歴要件を満たさない募集がほとんど。
たまにある「学歴不問」の募集でも
中卒です!簿記2級持ってます!やる気だけはあります!
これでは未経験者は、書類すら通りません。
日商簿記1級合格後に本格的に転職活動
その後30歳で日商簿記1級になんとか合格し、1社目で希望の会計事務所に転職。
ブラック企業出身の筆者にとって、転職先は天国のように感じました。
当時は専門学校に行くお金がなかったので、少ない貯金からテキスト類を購入し独学で勉強しました。
筆者の場合は日商簿記1級を取得しましたが、今では簿記2級→転職が最短ルートです。
中卒・高卒でこれから税理士を目指す方へ伝えたいこと

今までの生活を辞めるを覚悟する
税理士試験を突破するのは、本当に大変です。
早くても5年、長ければ10年以上かかります。
挑戦するなら、何かを辞める覚悟を決めましょう。
モチベーションを維持する
試験が長期化すると、モチベーションが下がることだってあります。
そんなときは、過去の自分を思い出してください。
- 1年前のあなたは簿記ができましたか?
- 1年前のあなたは〇〇税を理解してましたか?
結果は出てなくても、確実に1年前より前に進んでいるはずです。
諦めたら、そこで試合終了だよ
中卒・高卒で税理士になるには?具体的手順まとめ

学歴なしで、税理士を目指す手順についてまとめます。
なによりも大切なのは「思うだけ」ではなく「動き出すこと」です。
「思うだけ」では「やってない」のと同じ。
「動き出すこと」で、新しく見えてくるものもあります。
不平不満を言うことは簡単。やらない理由を探すのも簡単。
「人生を変えたい」と本気で思うなら、まずは「動き出すこと」です。
まずはCPAラーニングで簿記の勉強から始めていきましょう。
最初の一歩を踏み出す勇気が、何より大切です。
勉強とキャリアの両面を考えたい方は、税理士講座の比較記事や転職エージェント比較記事もあわせてご覧ください。
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