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簿記1級と全経上級の合格証

簿記1級独学合格で人生が変わった合格体験記【コスパ最強】

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YC

中卒・元パチプロの30代 現在会計事務所勤務 税理士試験3科目合格済み (簿財消) 21・22年法人税法不合格 2023年法人税法受験予定 日商簿記1級、全経簿記上級保有 TAC通信生
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20代後半に将来への不安から簿記の勉強を始め3級、2級と順調に合格をしました。


その後ステップアップで簿記1級を目指すことを決意します。

このとき同時に「日商簿記1級が税理士試験の受験資格になる」ことを知ります。


そしてここから長い長い戦いが始まります。

この記事では筆者の簿記1級合格までの道のりを紹介します。

この記事でわかること

・簿記1級の特徴

・合格までに必要な勉強時間

・独学で合格できる?専門学校に行くべき?

・簿記1級は転職に有利ってホント?

簿記1級の特徴

簿記1級の概要

極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得し、会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析を行うために求められるレベル。

合格すると税理士試験の受験資格が得られる。公認会計士、税理士などの国家資格への登竜門。

日本商工会議所HPより

一般的には簿記1級とは日本商工会議所の簿記検定、通称「日商簿記」の1級を言います。

簿記検定の最高峰として経理や事務をしている方々にとっては憧れの資格です。


また合格すると税理士試験の受験資格を得られるため、公認会計士や税理士受験生など

職業会計人を目指す方々も受験します。


日商簿記1級は大企業の複雑な経理にも対応できるほどの非常に難しい学習内容です。

合格すれば大企業の経理部門や中小企業の管理職、会計事務所などさまざまな業種への転職で有利になります。

簿記1級の合格率

日商簿記1級の合格率

(日本商工会議所HPより)


直近の合格率は約10%で表向きは70点以上で合格の試験です。

簿記1級の試験範囲

ただ実態は合格者が一定数になるように調整された相対試験です。

毎回、試験問題や受験者層も違うのに合格率に変動がないのはおかしいですよね?

なので2級までのように「70点以上で合格!』という考えではなく

サラリーマン

上位10%に何としても入るんや!

といった考え・戦い方に切り替えないといけません。


この仕組みを理解していないと一生合格できません。

ポイント

簿記1級は相対試験!合格するには戦略は必要!

簿記1級の難易度とボリューム

喜ぶ女性

1級の勉強を始めてまず驚くのは、そのボリュームと各論点の難易度でしょう。

2級で商業簿記と工業簿記合わせて2冊だったテキスト

商業簿記・会計学と工業簿記・原価計算の合計で8冊になりました。

単純に量だけで4倍なのに加えて、各論点の内容もかなり専門的になります。

全範囲を学習するだけで多くの人が挫折してしまいます。

1級以上は「会計で飯を食う覚悟」がある人が目指す資格です。

中途半端な気持ちでの勉強は時間が無駄になるのでオススメしません。

ポイント

1級は2級までとはレベルが違う!覚悟を持って勉強をはじめること!

簿記1級合格後に見える世界

筆者は簿記1級に合格して転職し年収は約2倍になりました。

簿記1級に合格すれば年収500万は余裕で狙えます。

簿記1級ホルダーの中には年収1,000万プレイヤーもいます。

簿記2級から1級初受験までの勉強時間

砂の中の時計

6月に2級を受験してすぐに11月の1級に向けて勉強を始めました。

当時は週に1日しか休みの日がなかったので、週の勉強時間はこのぐらいでした。

・平日3時間

・休日6時間以上

・合計24時間前後

試験まで5ヶ月しか無かったので、とにかく全範囲のテキストを消化していました。


ただ、想像以上の難易度で理解してから先に進もうとしてもなかなか思うように進みませんでした。


今になって思うのは完璧に理解できなくて当然なので、まずは先に進んで全体像を把握するほうがいいです。

テキストを何回も回しているうちに必ず理解は追いついてきます。


そして5ヶ月後の本試験前にはテキスト全範囲をやっと終わらせて、過去問題集を少し解いた程度でした。


本試験では会計学で包括利益計算書が初出題されました。

当時は1級が相対試験だということすら知らなかったので完全に試験中にパニックになり

解くべき基本問題も手付かずで時間切れという悔しい結果となりました。


1ヶ月後の合格発表はもちろん不合格でした。

初受験の勉強時間は週24時間×4週×5ヶ月で480時間くらいです。

ポイント

最初から全部を理解するのは不可能!とにかく先に進んでまずは全体像を把握しろ!

簿記1級合格までの勉強時間

ライバルがどんな勉強をしているのか気になり始める

喧嘩する熊

1回目の受験のあと勉強は継続していましたが


本試験の包括利益計算書のショックが強くて

「専門学校の受験生はどんな論点を学んでいるのか?」

と疑問が生まれます。


かといって地方の自宅の一室で勉強していた筆者にはそういった友人はいません。

専門学校に通うお金も当時はありませんでした。

なのでネットで会計士スレで情報取集したり、Youtubeで1級の講評動画を見て研究しました。

特にLECの富田先生の講評動画は良く見ていました、そこで「やらなくてもいい問題」があることをようやく知ります。



「なるほど、テキストに載ってない論点が出ても無視していいのか」

これがわかってからはひたすらにテキストの読み込みと例題を完璧にすることと過去問題集を回しました。


10年分の過去問を5回ずつは回しました、出来の悪い問題はもっとやりました。

過去問題集で点が取れるようになってから理論の穴埋め対策として理論教材も追加しました。

知っておくべき学習曲線

学習曲線

学習曲線の図

家庭教育のあすなろ様より引用

勉強してもなかなか成績が伸びない方は多いでしょう。

「勉強時間に比例して成績も綺麗な右肩上がりで伸びていく」

こんな風に考えていませんか?


頑張って勉強しても成果が出てくるのはずっとずっと先です。


何度も何度も過去問と基本問題を繰り返すうちに、突然各論点がつながり始めます。

サラリーマン

なるほど!そういう事だったのか!

テキストの内容が急に理解できるようになります。


この状態になるまで根気よく勉強を続けてください。

TACの全国模試で上位10%に入る

試験直前に実力を試すのにTACの全国模試に申し込みました。

自分のわかるとこだけに手をつけて、結果は上位10%以内でした。

この結果「テキストに載っている基本論点さえ取り切れば合格できる」という自信がつきました。

そして6月の2回目の受験となります。


勉強時間は前回から週24時間×4週×6ヶ月で580時間くらいです。

合計の勉強時間は1,060時間といったところでしょう。

ポイント

負けない答案とは難問ができたかではなく基本問題をすべて正解できているかどうか!

2度目の受験で諦めかけた

模試の好成績が自信になった

飛び跳ねる女性

前回とは違い「埋没問題」や「傾斜配点」があることはわかっていて

さらに模試で上位10%に入ったこともあり

「自分がわからないような問題は他の人もできない」

そんな自信がありました。


2度目の本試験は商業簿記・会計学は比較的簡単な問題でしたが

工業簿記で「推定簿記」を絡めた原価計算?のような見たこともない問題が出ました。

この問題を見たとき凍りつきました。


全体が勘定連絡図の推定簿記になっていて1つ間違えると芋づる式に全ての数字がズレる系の問題だったからです。

しかも非常に難しく、1箇所の推定だけでも「???」レベルの難問です。


とりあえず「これは絶対にやばい問題だ」と感じたので原価計算を先にひと通り解き終えて

再度工業簿記に戻るも「全然わからん」状態でした。

それでもなんとか解答できそうなところを埋めて本試験は終了しました。

ネット上も工業簿記のあまりの難しさにお通夜状態でした。


数日後TACの模範解答で自己採点で工業簿記は4点ぐらいでした。

「また不合格か」「いったいどうやったら受かるんだ」

そんなネガティブ思考で数日間、立ち直れないほどでした。


2ヶ月後の合格発表ではなぜか合格でした、得点開示請求をすると工業簿記は14点とかでした。

傾斜配点バンザイであります。

ポイント

一生懸命勉強した自分が解けない問題は他の受験生も解けない、自信を持って飛ばせ!

足切りは絶対回避しろ!難問奇問でも解けるところが必ずあるから最後まで諦めるな!

30歳未経験で会計業界へ転職

合格発表日にハローワークへ

電話するスーツの男性

見事に税理士試験の受験資格をゲットした筆者は

合格発表のその日にハローワークに行き面談担当者に

「中卒で日商簿記1級に合格したが転職できるか?」と質問しました。


担当者の返事は「絶対にできます」

この時はじめて世の中に自分が認められたような気がしました。

その帰りにそのまま当時の職場に行き、退職しましたw

(会社都合、理由はお察し)

第1希望の事務所に1発採用

その後1月ほど無職を満喫しながら色々な会計事務所のHPを見て就職先を探しました。


この時点では「5年ぐらいで税理士試験を突破して独立」という甘い考えでした。

また以下の2つは候補から外しました。

・残業が多い事務所

・従業員の入れ替わりが激しい事務所

残業については夜にその事務所周辺に実際に行って、明かりがついているか確認しました。


従業員の入れ替わりはその事務所の満足度(ブラック企業度)を示すので

職員が書いてるブログとHPの現在の従業員一覧とのズレで、長く勤めている職員がどのくらいいるのか確認しました。


また個人的に

サラリーマン

今後は相続税が儲かる!

と業界未経験ながら感じていたので(今思うと不思議)


新人でも相続税の申告に関わらせてもらえそうな「相続税の申告が多い」と記載のある事務所を選びました。

そうしてじっくりと選んだ結果いい条件の事務所があったので

そちらに応募したところ見事に1発で採用となりました。


入所してから所長に聞いたところ「独学で日商簿記1級合格」というのは

学歴のハンデがあってもかなりの評価ポイントだったようです。


ちなみに地方の事務所ですが筆者の前は50人以上が面接まで行って、結局全員不採用となっていたようです。

ここで改めて日商簿記1級の効果を体感することになりました。

最近では会計事務所への転職は転職エージェントを利用すると

ハローワークなどで扱っていない非公開求人も探せるのでオススメです。

ポイント

日商簿記1級保有者は会計事務所・経理職への転職で圧倒的有利!

日商簿記1級合格のメリット

税理士試験の会計科目で圧倒的に有利

転職でもかなりの効果がある日商簿記1級ですが

取得した時点で税理士試験の会計科目(簿記論、財務諸表論)では、すでに上位30%以内には入ります。


簿記論に関してはいきなり過去問演習でボリュームになれるだけで試験対策はOKですし、

財務諸表は表示科目と理論を補うだけで苦労せず合格できるはずです。

経理や会計事務所の転職で圧倒的に有利

日商簿記1級に合格していれば経理・会計業界の転職には困りません。

筆者も実際にそう思いましたし、他の合格者も同じようです。


日商簿記1級が評価されないなんてありえません。

もしそんな会社があればこちらから断ってやりましょう。

簿記1級で人生を変えたいなら専門学校も検討を

美しい女性

簿記1級は難しいです、間違いないです。


筆者は運良く独学で合格できましたが1級はやっぱり専門学校で半年から1年じっくり勉強するほうが効率的です。

半年、1年の努力で人生が大きく変わるならコスパが良いと思いませんか?


専門学校は大手の大原かTACがオススメです。

多くの受講生がいるので自分の現在位置を把握することができます。


中堅以下のスクールは費用は安いですが受講生が少ないのであまりオススメしません。

1級は「みんなができる問題ができること」が最重要なので

多くのライバル受講生と同じ勉強をすることが大事です。


教室に通う時間がなくても通信講座で充分です。

筆者は今まですべて通信講座のみで税理士試験も合格しています。

講義を倍速で見れるので通学よりむしろ有利だと思っています。


大原もTACも一般教育訓練給付制度の対象となっているので

受講後に要件を満たせば受講料の20%が返金されます。


専門学校では「試験に出ない論点はやらない」といった

メリハリをつけた授業なので独学であれこれ悩んで詰まっていたのは本当に無駄でした。


資料請求は無料なので本気で合格を目指すなら是非検討してみてください。

当時の筆者のように全国模試だけでも受けたほうが良いです。

筆者は日商簿記1級に合格して人生が変わりました、本当に努力して良かったと思っています。

そして受験資格を手にした筆者は税理士試験に挑戦することになります。

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2022年8月13日