「足切り」「傾斜配点」ってよく見るけどなんなの?
簿記1級ムズすぎやろ・・・
簿記1級のことを調べると「足切り」や「傾斜配点」というワードを見かけます。
簿記1級は相対試験です、このワードの意味を知らないと永遠に受かりません。
今回は簿記1級の合格に必須の「足切り」「傾斜配点」について解説。
普段の勉強で思うように先に進まなくて悩んでいる方にも是非読んでほしい内容です。
この記事でわかること
- 簿記1級の実態
- 傾斜配点の内容
- 足切り制度の内容
- 合格するための戦略
日商簿記1級は相対試験
表向きは70点以上で合格
一般に公表されている日商簿記1級の合格基準は以下のとおり。
- 合計点70点以上
- 4科目のうち1科目でも10点を下回らないこと
実態は上位10%が合格する試験
ここ数年の合格率を見てみましょう。
だいたい8%から13%、平均すると約10%といったところ。
おかしいと思いませんか?
毎回の問題の難易度が違うのに、合格率が一定です。
公表されていませんが日商簿記1級は、合格率を一定にするために得点調整をしています。
これを傾斜配点と言います。
足切りとは
もう1つ日商簿記1級の合格を難しくしている制度として「足切り」があります。
「足切り」とは商・会・工・原のうち1科目でも10点を下回る、つまり1桁得点だとその時点で不合格となってしまう制度。
この場合、合計点が70点以上でも不合格となってしまいます。
図にするとこんな感じ。
商業簿記 | 会計学 | 工業簿記 | 原価計算 | 合計点 | |
合格 | 20 | 15 | 15 | 20 | 70 |
不合格 | 25 | 25 | 5 | 15 | 70 |
「合格」と「不合格」の合計点はどちらも同じ70点ですが、「不合格」は「工業簿記」で10点以下でなので不合格となってしまいます。
足切り対策は苦手科目を作らないことです。
傾斜配点はどのように行われるのか
本試験で満点は無理
以下の2つの試験のうち、得点調整しやすいのはどちらでしょうか?
- 成績優秀者は100点が取れる試験
- 成績優秀者でも6、70点しか取れない試験
仮に受験生が超優秀で全員が100点だった場合、合格率は100%になってしまいますよね?
受験生全員が合格するようでは難関資格の価値がありません。
無理に合格率を一定にしようとすれば、100点の受験者でも不合格にする必要があります。
専門学校から本試験の解答は発表されますから
自己採点で100点なのに落ちた!ありえない!
こんな苦情がきてしまいますよね。
傾斜配点のやり方
なので多くの難関資格はあえて難しく作ってあります。
日商簿記1級も同じ。
本試験では満点にならないように「受験生のだれも解けない」問題、いわゆる捨て問が必ず出題されます。
均等に振った配点では合格点に絶対届かないように作ってあるのです。
試験後に「みんなができている基本問題」に多めに配点を振ることで、10%の合格率まで合格者数を底上げします。
これが傾斜配点のやり方です。
自己採点がいいわけない
専門学校のボーダーラインは高い
本試験はわざと難しく作ってあります。
本試験の作問者は受験生のレベルなんて把握してないので、回によってはとんでもない問題が出題され、たびたび話題にw
受験生のほとんどは試験後の自己採点では、専門学校が発表するボーダーラインには届きません。
各専門学校の予想配点は基本問題も難問奇問も均等に配点されているからです。
自己採点が悪くても諦めない
1度でも本試験を受験すればわかりますが、自己採点より実際の得点は高くなります。
これは本試験の採点は基本問題に多く配点が振られているためです。
自己採点が多少悪くても基本問題が取れていれば、合格している可能性は全然ありますよ。
筆者が合格した140回でも工業簿記が超難問でしたが合格できました。
日商簿記1級は「ダメだと思ってたけど受かった」という合格者がほとんどです。
受験者のTwitterからも良くわかりますね。
簿記1級の合格戦略
足切りと傾斜配点がわかったところで合格戦略を考えてみましょう。
筆者が考える合格戦略は
- 捨て論点を作らない
- 本試験での解答手順
- 難問奇問へのメンタル
以下、解説していきます。
捨て論点を作らない
難関資格の合否を決めるのは「基本問題がどれだけできたか」
日商簿記1級は学習範囲も広く、内容も論点によっては難解なものも多いです。
すべての論点が本試験で出るとは限りませんが、最初から捨て論点を作るのはやめましょう。
- 応用論点がわからなくても、わかったつもりで先に進んでください
- なるべく早く全範囲の基本問題が解けるように先に進んでください
後で戻るとすんなり理解できることも多いです。
1つ1つの論点を完璧に理解してから先に進む勉強方法は効率が悪いのでやめましょう。
わからなくても立ち止まらずに全体を回転させよう。
本試験での解答手順
「みんなができる問題」から解いてください。
基本問題には傾斜配点で大きな配点がきます。
- 簿記2級レベルの問題
- 簿記1級のテキスト例題レベルの問題
- 転記だけでとれる問題
基本問題を落としてたら合格できません。
難問奇問へのメンタル
本試験では必ず未学習論点が出ると思っておきましょう。
商・会・工・原のうち1つは超難問がでます。
そういった問題が出たときは全力で足切りを回避してください。
つまり基本問題を探して正確に解答しましょう。
そうすれば傾斜配点で底上げされて足切りは回避できます。
パニックにならずに分かる箇所をしっかりと。
本気で合格したいなら専門学校へ
難しい回では自己採点50点台でも合格者がでたこともあります。
筆者も合格したときの自己採点は50点台でした。
そんなこと言ったって全部難しいよ・・・
こういった方は専門学校を利用すべき。
専門学校では「本試験でやるべき問題」「やらなくていい問題」をズバッと教えてくれます。
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まとめ
今回は日商簿記1級の合格に必須の知識「足切り」と「傾斜配点」について解説しました。
普段の勉強で理解が進まずに苦しい思いをしてる方も多いでしょう。
あなたの目標は「100点を取ること」ではなく「合格すること」ですよね?
ですから毎日コツコツと基本問題を重視して、わからくても先に進んでください。
簿記1級は継続して努力すれば必ず合格できます、筆者も応援しています。