「簿記2級までは取ったけど、1級に進むべきか?」「就職・転職に役立つのはどっち?」
そんな疑問を抱く方に向けて、簿記2級と1級の違いを徹底比較しました。
この記事では、試験範囲・難易度・勉強時間の目安・就職での評価まで、受験経験者の視点を交えて解説。
2級合格後に次の一歩を迷っている方、キャリアを考えて簿記1級に挑戦すべきか悩んでいる方は必見です。
簿記2級と簿記1級の全体像

簿記とは?基本概念と重要性の理解
簿記は企業や個人の経済活動を「記録→整理→計算→報告」する仕組み。
財務諸表を作るための基礎であり、経営判断や税務申告に欠かせません。
ビジネス全般に役立つスキルのため、就職・転職市場でも高く評価されます。
簿記2級と簿記1級の目的の違い
- 簿記2級:中小企業の経理業務を担えるレベル。財務諸表を作成し、会社の基本的なお金の流れを理解できる。
- 簿記1級:上場企業や大規模法人の経理に対応できる水準。会計基準、連結会計、税効果会計など高度な知識が必要。税理士試験の受験資格にも直結。

税理士の受験資格狙いなら、全経上級も選択肢に入ります。
簿記資格の種類とその活用
簿記資格は主に「日商簿記」「全商簿記」「全経簿記」がありますが、社会人や転職市場で評価されるのは圧倒的に日商簿記。
求人票でも「日商簿記2級以上」と書かれるケースが多いため、2級・1級を狙うなら日商簿記一択といえるでしょう。
簿記検定の主催団体と試験方式
日商簿記検定は日本商工会議所が主催し、年3回(6月・11月・2月)に実施されます。
2020年以降はCBT方式(ネット試験)も導入され、利便性が向上しました。

1級の試験は6月・11月のみ実施。
CBT方式は3・2級が対応しています。
簿記を学ぶ理由と社会的評価
簿記は就職・転職・昇進の評価基準となるほか、税理士試験の受験資格としても活用できます。
社会的評価の高さは2級でも十分ですが、1級を取ると専門性と希少性が増し、より高い評価を受けられます。

筆者も当時は「学歴無し・実務経験無し」でした。
簿記1級合格によって税理士試験の受験資格を手に入れました。
簿記2級と簿記1級の難易度比較

簿記2級の難易度とは?
簿記2級の合格率はおおむね20〜30%、勉強時間の目安は300〜500時間。
商業簿記・工業簿記が中心で、パターンを覚えて過去問を繰り返すことで合格を狙いやすい試験です。
簿記1級の難易度と試験範囲
簿記1級の合格率は8〜12%前後。
出題範囲は膨大で、商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算の4科目。
特に連結会計・税効果会計・標準原価計算などは難所です。
必要な学習時間は800〜1200時間と、2級の倍以上。

1つ1つの論点が難しいので、体感では1級は2級の10倍ぐらい難しかったです。
簿記1級が難しい理由
絶対試験・相対試験とは?
簿記2級までは70点以上なら全員合格、簿記1級は上位10%が受かる試験。
極端に言えば自己採点が70点以上でも、他の受験生の大多数が80点なら落ちる試験です。

1級は2級までと違って「他人に負けない戦略」が必要。
簿記1級と2級の違いを比較表で確認
項目 | 簿記2級 | 簿記1級 |
---|---|---|
合格率 | 20〜30% | 8〜12% |
勉強時間 | 300〜500時間 | 800〜1200時間 |
学習範囲 | 商業簿記・工業簿記 | 商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算 |
出題内容 | 仕訳・財務諸表・原価計算 | 連結会計・税効果会計・理論問題など |
独学のしやすさ | 独学で十分可能 | 独学は困難 |
合格基準 | 絶対試験 | 相対試験 |
受験生レベル | 低い | 高い |

1級は専門学校必須です。
詳しくは簿記1級専門学校比較記事をどうぞ。
勉強時間と学習方法の違い

簿記2級の勉強時間と学習法
独学で300〜400時間、スクール利用なら200〜300時間程度で合格可能。
市販テキストと過去問で十分対応できます。
簿記1級の勉強時間と学習法
独学では1000時間以上が必要。
多くの合格者はTAC・大原・スタディング簿記1級講座などを活用し、体系的に学習しています。

筆者も約1,000時間で合格できました。
独学 vs スクール
簿記2級は独学でも十分対応可能ですが、簿記1級は範囲が広すぎて独学では効率が悪いです。
講座利用でインプットの負担を軽減し、アウトプット量を確保することが近道。
飛び級学習の難しさ
2級を飛ばして1級に挑むことも制度上は可能ですが、非推奨。
2級の基礎がないと、1級の範囲を理解するのは困難です。

1級の勉強をしていると、2級のテキストに戻ることが何度もありました。
2級の教材は捨てずに残しておきましょう。
就職市場における評価と影響

簿記2級保持者の評価
中小企業の経理、一般事務、総務などで高く評価されます。
求人票に「簿記2級以上」と記載されることも多いです。
簿記1級保持者の評価
上場企業の経理部門、会計事務所、監査法人での採用で有利になります。
専門性の高さが求められるポジションで活躍できます。

ネットスクール受講者の口コミでも、「上場企業の経理に転職した」「連結担当になって給料が上がった」との声がありました。
年収の違い
- 簿記2級:年収350〜450万円前後
- 簿記1級:年収500〜600万円以上が期待できる

筆者も元々は年収260万、昇給・賞与・有給無しのブラック企業に務めていました。
簿記1級合格後に転職して、年収は倍になりました。
企業が求める資格の価値
簿記2級は応募条件、1級は歓迎条件という位置づけが多いです。
キャリアアップや転職を意識する人は1級を狙う価値があります。

筆者も「30歳・未経験・簿記1級合格」で会計事務所に転職しました。
転職を考える場合は、会計業界特化の転職エージェント比較記事もチェックしてください。
簿記を学ぶ理由とキャリアアップ

簿記資格がもたらすメリット
経理・会計職への就職が有利、税理士試験の受験資格が得られる、専門スキルとして信用されるといったメリットがあります。
簿記取得と転職活動
簿記を取得することで履歴書での評価が高まり、面接でも学習意欲や専門性をアピール可能。
全商簿記と日商簿記の違い
全商簿記は主に高校生向け、社会人や転職希望者は日商簿記を選ぶべきです。
各級の特徴と活用法
- 3級:基礎的な会計力
- 2級:実務に直結する力
- 1級:専門性+税理士試験受験資格

筆者も「学歴無し・実務経験無し」でした。
簿記1級合格によって税理士試験の受験資格を手に入れました。
まとめと今後の学び方

簿記資格の今後
AIやクラウド会計が普及しても簿記知識は不変。
資格としての価値は揺らぎません。
学んだ内容の活かし方
実務に直結、転職で有利、税理士試験など上位資格へのステップに繋がります。
次のステップ
簿記2級を取ったら1級や税理士試験の勉強に進むのがおすすめです。
情報源と教材
過去問・予備校講座の活用が最短合格の近道です。

2級で止めるか、1級まで進むかはあなたのキャリアプラン次第。
将来を見据えて、次のステップを選びましょう。
あわせて読みたい