ネット上では「簿記2級は転職で有利」とか、「簿記2級じゃ意味がない」など意見も様々。
筆者の個人的な感想ですが、転職の強みにしたいなら簿記2級では弱いです。
せっかく2級まで取得したんですから、最上級の1級を目指しましょう。
「学歴に自信がない」「それでも経理・会計事務所へ転職して年収を上げたい」
この悩みに対して、簿記1級は間違いなく強力な武器になります。
この記事では、中卒・30代・未経験で会計事務所に転職したの筆者の体験談を交えながら、学歴不問で戦う具体策と、転職で年収を伸ばす現実解をまとめます。
		簿記1級は専門学校が必須。
どの講座が自分に合うのか迷っている方は、実際の受験生アンケートをもとにした簿記1級講座おすすめランキング記事もあわせて参考にしてみてください。
この記事でわかること
- 簿記1級がオススメな理由
 - 簿記1級の勉強時間・難易度
 - 勉強方法は独学か?専門学校か?
 - 筆者の転職体験談
 - 簿記1級を目指す前に考えるべきこと
 
会計事務所でも簿記1級の合格者は希少

経理や会計事務所の職員でも、簿記1級合格者は少数です。
筆者は20人規模の会計事務所に7年間勤めましたが、1級保有者は筆者を含めて2人だけ。
		1級合格者は超レアです。
一方で簿記2級保有者は、1級保有者の2人を除いて全員でした。
簿記2級では、差別化を測ることはできません。
就職・転職でライバルに差を付けるなら、是非1級を目指しましょう。
| 日商簿記2級 | 日商簿記1級 | |
| 実受験者数 | 13,118名 | 8,918名 | 
| 合格者数 | 3,524名 | 902名 | 
| 合格率 | 26.9% | 10.1% | 
【食いっぱぐれ無し!】簿記1級合格で年収アップを狙おう

簿記1級では上場会社やその子会社の経理、つまり会計のプロとしての知識を学びます。
合格すれば会計事務所や税理士法人はもちろん、有名上場企業の経理・財務の担当者として活躍できます。
年収も小規模会計事務所や中小法人とは比べ物になりません。
大手転職サイト「リクナビNEXT」では、簿記1級保有者の案件は年収500万円から700万円となっています。
筆者の場合は簿記1級合格後、転職して年収はざっくり倍になりました。
		中卒・高卒でも簿記1級で転職できる?

結論、できます。
求人票には「大卒以上」が残っている企業もありますが、会計事務所や中小企業の経理では、学歴よりも実務で使えるスキルが評価されやすいのが実情。
簿記1級は会計基礎の到達度を明確に示せるため、未経験でも面接に進むきっかけを作れます。
- 評価されやすい場面:会計事務所/中小〜中堅の事業会社経理/決算補助ポジション
 - 刺さるアピール:「仕訳スピード」「試算表の読解」「ミス低減の工夫」「改善実例の提案力」
 - 注意:大手上場やコンサルは学歴要件が残る場合あり。入口は実務を積みやすい環境を優先し、キャリアで挽回するのが王道。
 
学歴不問求人の年収相場

あくまで目安ですが、学歴不問ゾーンの相場感は次の通りです。
「実務経験の有無」「担当領域」「企業規模」「地域」でレンジがぶれます。
| ポジション | 初年度の目安 | 2〜3年後の目安 | 年収UPの分岐 | 
|---|---|---|---|
| 会計事務所(補助) | 300〜380万円 | 360〜450万円 | 担当先拡大/申告経験/巡回経験 | 
| 事業会社 経理(中小) | 300〜420万円 | 400〜500万円 | 月次〜年次決算/資金繰り/税務補助 | 
| 事業会社 経理(中堅〜上場子会社) | 350〜480万円 | 480〜600万円 | 連結・開示/IFRS/業務改善主導 | 
学歴で弾かれたとしても、簿記1級+実務で階段を上りながら、連結・開示・管理会計・税務などの「希少スキル」を掛け算するとレンジは一段上がります。
【食いっぱぐれ無し!】中卒で簿記1級合格→転職&年収アップした体験談

Before:学歴コンプレックスと将来不安
中卒という学歴で、求人票の「大卒以上」に心が折れる日々。
このままだと一生ブラック企業務めだと感じ、武器を持つ必要性から簿記1級を決意。
Action:簿記1級に挑戦(勉強〜合格)
- 勉強法:独学 /学習時間の目安:約1,000時間
 - 工夫:スキマ時間に理論暗記、テキストの例題と過去問の回転
 - 合格:自己採点ボロボロだったけど合格
 
		After:ハローワーク&自力応募で転職成功
- 応募経路:自力+ハローワーク(当時は転職エージェントがなかった)
 - 選考の現実:大卒以上の要件だったがチャレンジしたら1社目で採用された
 - 内定先:会計事務所(未経験)
 - 年収変化:260万円 → 350万円(初年度)
 
		正直、自力は大変でした。求人探し・書類通過・年収交渉まで、すべて一人でやるのはコスパが悪い。
今の自分なら、最初から転職エージェントを使います。
学歴に自信がなくても、簿記1級を評価してくれる求人に効率よく辿り着けるからです。
今なら転職エージェントを使うべき理由

| 項目 | 自力(当時の自分) | エージェント活用(今の自分なら) | 
|---|---|---|
| 求人の質と数 | ハローワーク求人はほぼ高卒以上・大卒以上 | 非公開求人含む。学歴より実務ポテンシャル重視案件に当たりやすい | 
| 書類通過率 | 運良く通ったが、書き方に戸惑う | 職務経歴書のブラッシュアップ&強い推薦で通過率UP | 
| 年収交渉 | 自分で交渉→下げ止まりがち | 相場把握+代理交渉で適正レンジへ | 
| 時間コスト | 情報収集〜面接調整まで全て自分 | 日程調整・面接対策・条件確認を丸ごと効率化 | 
		自分はハローワークだけで苦労しました…
今なら「学歴不問×簿記1級歓迎」の非公開求人をまずチェックします。
非公開求人は転職エージェントでしかチェックできません。
転職エージェント比較記事で自分の目的にあったエージェントを見つけてください。
【食いっぱぐれ無し!】簿記1級は税理士試験の受験資格になる

(国税庁HPより)
令和5年から、会計科目の受験資格が撤廃された税理士試験。
暖和されたのは会計科目のみなので、学歴や職歴要件を満たさない場合は税法科目は受験できません。
簿記1級合格者なら学歴、職歴一切関係なく全て受験可能。
税理士を目指す場合、簿記1級に合格すればどの科目でもすぐに受験することができます。
		簿記1級に合格できる根性があれば税理士試験も大丈夫。
中卒・高卒でも、簿記1級を突破して実務を積み、税理士試験に挑むルートは王道。
キャリアの選択肢を広げるうえでも、簿記1級は確実に“扉を開ける資格”になります。
【難しすぎる?】簿記1級の難易度

はっきり言いますが、簿記1級は2級とは比べ物にならないぐらい難しいです。
テキスト類の量だけで2級の4倍、内容も専門的で難易度が高い論点ばかり。
資格難易度ランキングでも、偏差値67の「難関」に分類されています。
中小企業診断士や社会保険労務士と遜色ないレベルです。
		合格するには、今までの生活を変える必要があります。
| 偏差値 | 難易度 | 資格名 | 
| 77 | 超難関 | 公認会計士 | 
| 75 | 超難関 | 税理士 | 
| 67 | 難関 | 中小企業診断士 | 
| 67 | 難関 | 日商簿記1級 | 
| 65 | 難関 | 社会保険労務士 | 
| 58 | 普通 | 日商簿記2級 | 
簿記1級の勉強期間は半年から1年

合格の目安は1,000時間
簿記1級の合格までに必要な勉強時間は、一般的に500時間から1,000時間。
働きながら、1日3時間勉強したとして
- 半年(180日)で540時間
 - 1年で約1,100時間
 
個人的には、500時間で合格レベルまで達するのは相当厳しいかと。
働きながらだと1年ぐらいかけて、コツコツと勉強するのが現実的です。
		Xで1級合格者に実施したアンケートでは、半数以上が1年以上・1,000時間超で合格という結果でした。詳しくは別記事で紹介しています。
何かを捨てる覚悟が必要
年間1,000時間の勉強時間を確保するのが、合格するための最低条件。
これまでの生活を変える覚悟が必要です。
筆者が捨てたもの
- 大好きなテレビやYouTube
 - 友人や同僚との飲み会
 - 恋人との時間
 
		働きながらだと、仕事以外の時間は全部勉強です。
早期合格を目指すなら専門学校へ

筆者は簿記1級受験時代、資金がなかったので独学しか選択肢がありませんでした。
1年間勉強を続け、運良く2回目の受験で合格。
その後、税理士試験からは専門学校を利用しています。
		独学だと合格まで時間がかかります。
どうでもいい論点は専門学校ではやりません、もし出題されても誰もできないので差はつきません。
簿記1級は「みんなができる問題を全て正答する」これで受かります。
独学では何が重要論点なのかわかりません、専門学校を利用しましょう。
簿記1級を目指す前に考えるべきこと

簿記1級は魅力的な資格ですが、合格するのは本当に大変。
大切な人生の時間を半年から1年、使う前に良く考えるべきです。
大企業や上場企業の経理を目指しているのか
どこでもいいので、とにかく転職したいなら大事なのは若さです。
簿記1級合格後に転職活動、それも悪くないですが。
何年かかるかわかりませんし、そもそも合格できなければ時間が無駄になります。
経歴に問題がないなら、今すぐ転職活動したほうが良いかもしれません。
		経理職を目指すなら経理求人につよいジャスネットキャリアの口コミ記事を参考にしてください。
公認会計士や税理士を目指しているのか
簿記1級は難しいですが、あくまで民間資格。
公認会計士や税理士のように独占業務はありません。
中小企業ではオーバースペックになるかも。
仕事と両立できるのか
簿記1級に合格するなら、毎日3時間以上の勉強時間は確保したいところ。
仕事が終わって、疲れた身体で勉強できますか?
それを半年・1年続ける覚悟が本当にありますか?
【食いっぱぐれ無し!】合格後に30歳未経験で会計事務所に転職

筆者が簿記1級に合格したのが30歳の時。
その後転職活動をして、第1希望の会計事務所に1発で採用されました。
もちろん会計事務所や経理は未経験。
所長いわく「簿記1級を持っているのが決め手だった」そうです。
簿記1級は経理・会計事務所への転職では最強。
評価してくれない事務所なんて行かなくていいですよ。
まとめ:簿記1級は食いっぱぐれ無し!安心して合格を目指そう!

この記事では簿記1級が就職・転職に最強な理由について書きました。
覚悟は決まりましたか?
こんな魅力的な資格を人生の中のたった1年、時間にして1,000時間。
全力で取り組んで人生変わるなら、コスパいいと思いませんか?
		自分はハローワークだけで遠回りしました。
これから挑戦するなら、簿記1級+実務経験に加えて、転職のプロを早めに併用して、あなたの時間とチャンスを最大化してください。