簿記や税理士試験を勉強していると、

「どこで実務経験を積めばいい?」
「学歴がなくても受験できるの?」

と迷う人は多いはず。
筆者も中卒で受験資格無し、まさにその立場でした。
10年前は転職エージェントなんてほとんどなく、ハローワークと求人誌で探して、なんとか会計事務所に就職。
今は未経験OK・受験生歓迎の求人も増えていて、当時よりはるかにチャンスがあります。
この記事では、
を、リアルな体験を交えて紹介します。

記事作成にあたってXで税理士受験生にアンケートを実施。
筆者だけでなく、客観的な意見も分かります。
簿記の基礎固めはCPAラーニングでOK

簿記2級は必須レベル
税理士を目指すなら、まずは簿記2級レベルを目指すのが第一歩。
簿記2級までは CPAラーニングの無料講座+過去問演習 でOKです。
無料とは思えないほど講義の質が高く、合格に必要な力がつきます。

簿記2級程度の知識がないと会計系の仕事は厳しいです。
筆者は3・2級を同時に受験、1発で合格でした。
数ヶ月、本気で頑張れば絶対に合格できます。
簿記2級の平均学習時間
受験者タイプ | 学習時間の目安 | 学習期間の目安 | 特徴・コメント |
---|---|---|---|
簿記3級合格者 | 約200〜250時間 | 約2〜3か月 | 商業簿記の基礎ができており、スムーズに進められる |
簿記3級学習経験あり(未合格) | 約250〜300時間 | 約3〜4か月 | 商業簿記の復習から入る分、やや時間がかかる |
初学者(簿記未経験) | 約300〜350時間 | 約4〜6か月 | 商業簿記・工業簿記の両方を基礎から学習 |
独学(参考書+過去問中心) | 約350〜400時間 | 約5〜6か月 | 計画づくりと自己管理が必要 |
通学・通信講座利用者 | 約200〜300時間 | 約2〜4か月 | カリキュラムが体系化され効率的に進めやすい |
筆者が受験した10年前と違って、今は無料で使えるCPAラーニングがあります。
独学は無駄に時間がかかるので、絶対にやめましょう。

税理士受験生へのアンケート結果
Xで行ったアンケートでも簿記2級あれば、会計事務所に転職できるという回答が55.7%ありました。
簿記1級は2.1%、税理士試験の科目合格は19.6%という結果でした。

税理士試験の科目合格が必要なのは、大きな税理士法人。
小〜中規模の事務所では簿記2級あれば充分です。

税理士試験の科目合格には数年かかります。
転職は何より若いほうが有利。
簿記2級の勉強と並行して、転職活動を始めるべし。
学歴なしでも税理士試験は受けられる|実務経験2年の仕組み

令和5年の改正により税理士試験の会計科目(簿記論・財務諸表論)は誰でも受験可能になりました。
それでも税法科目については、まだ受験資格が必要になります。

一般企業の経理職でも、税務業務をしていれば対象になるケースもあります。
詳しくは国税庁HPで確認してください。
区分 | 対象科目 | 受験資格 |
---|---|---|
会計学科目 | 簿記論/財務諸表論 | 制限なし(誰でも受験可) ※令和5年度(2023年度)試験から受験資格を撤廃 |
税法科目 | 所得税法/法人税法/相続税法/消費税法/酒税法/住民税/事業税/固定資産税/国税徴収法 | 下記いずれかを満たす必要あり: ① 学歴:大学・短大・専門卒(社会科学科目を1単位以上) ② 資格:日商簿記1級または全経上級 ③ 実務:会計事務所・税理士法人等で2年以上の実務経験 |

簡単に言うと会計事務所に入って、2年頑張れば税法科目も受けれるってことです。
簿記を取ったら転職活動を始めよう【実務が理解を深める】

簿記を取ったら、次は「実務経験を積むステップ」へ進みましょう。
会計の知識は勉強だけではなく、現場で使うことで本当の意味で理解が深まります。
特に税理士試験を目指す人は、実務経験が受験資格にも直結するため最短ルートに。
ステップ | 行動 | 目的・ポイント |
---|---|---|
① 学習段階 | 簿記2級の取得 (CPAラーニング+過去問) | 会計の基礎を固める 実務への最低限の知識を習得 |
② 実務段階 | 会計事務所 or 経理へ転職 | 実務経験2年で税理士試験の受験資格を得る 現場で知識が定着する |
③ 受験段階 | 税理士試験に挑戦 (簿記論・財務諸表論からスタート) | 実務理解があると試験問題が具体的にイメージできる |
④ キャリア段階 | 税理士・会計士特化エージェントで転職比較 | 会計事務所⇄経理間の転職が容易 キャリアの自由度が広がる |
このように、「簿記 → 実務 → 税理士試験 → キャリアアップ」の流れを意識して動くと、最短で結果を出せます。
簿記を取ったら“勉強のゴール”ではなく、“キャリアのスタート”と考えて行動するのがポイント。

10年前なら簿記1級で受験資格→税理士試験が最短ルートでした。
今は簿記2級→転職→税理士試験(会計科目)→2年後税法科目のルートが現実的です。
今、会計事務所は人手不足。未経験でもチャンスあり

合格までは求められない
税理士・会計業界は慢性的な人手不足。
特に20〜30代の若手が少なく、未経験採用が活発です。
最近は「簿記勉強中」「受験生OK」の求人も増えています。

特に地方の会計事務所は深刻な状態。
実際に筆者がいた会計事務所でも「未経験・簿記勉強中」でも採用してました。
今の時代は簿記の勉強と並行して、転職エージェントでホワイト会計事務所を探すのが正解。
何より「若さ」は転職するうえで最強の武器になります。
税理士受験生へのアンケート結果

Xで実施したアンケートでは、約75%の会計事務所が人手不足と回答しました。
さらに採用の条件は緩く、未経験でも簿記2級があればOKとのこと。

10年前とは環境が違います。
思っているほど、会計事務所への転職は難しくありません。
未経験でも勇気を出してチャレンジしよう。
会計事務所ってどんな仕事?

会計事務所の主な仕事
会計事務所は簡単に言うと「事業やってる人のお手伝いをする場所」
「事業はできるけど帳簿や税金はチンプンカンプン」
そんな個人や法人の代行をするのが主な仕事です。
新人が担当する仕事
未経験で会計事務所に入った場合、まずは帳簿の入力業務から覚えることがほとんど。
最初から担当を持って外回りすることは、基本ありません。
入力業務で年間の流れや、税法の知識などが自然に身につきます。

簿記の知識がないと入力業務ができません。
だから簿記2級程度の知識は必須になります。
繁忙期は激務で勉強時間が取れない場合も
会計事務所は12月〜5月末までが繁忙期。
年末調整から始まり、個人の確定申告→3月決算法人の申告までが毎年の業務です。
事務所によりますが、「繁忙期は残業ばかりで勉強時間が取れない」なんてことも。

税理士試験の合格を優先するなら残業が少ない事務所選びが必須。
会計事務所はブラックばかり?
SNSでは「会計事務所はブラック」という意見がよく見られます。
確かに「おじいちゃん業界」な部分はありますが、ちゃんと探せばホワイトな事務所もありますよ。
ブラック会計事務所の判別方法
筆者が実際にやっていた方法を紹介します。

ホワイト事務所は存在する
筆者が7年勤めた事務所はこんな感じ。

地方のど田舎。
勉強との両立を考えたら、かなり良い事務所ではないでしょうか?
経理で実務経験を積むのもアリ【安定・両立重視】

試験優先なら会計事務所はやめとけ?
税理士試験の突破を最優先するなら、一般企業の経理という選択肢もアリ。
会計事務所ほど繁忙期が激務の可能性は低いですし、勉強と両立しやすい環境と言えます。

その企業の業務が実務経験2年にカウントされるかは要確認。
個々の状況によるので所轄の国税局に問い合わせして確認するのがおすすめ。
項目 | 会計事務所 | 一般企業の経理職 |
---|---|---|
主な業務 | 顧問先の会計・税務処理、決算・申告書作成、確定申告対応 ほか | 自社の会計処理、月次・年次決算、予実管理、監査対応 ほか |
向いている人 | 税理士登録を目指す/税務の専門性を高めたい人 | 安定重視・ワークライフバランスを取りたい人 |
メリット | 税理士登録要件の実務に直結/多様な業種の税務に触れられる | 残業少なめの求人も多い/業務が体系化され学習計画を立てやすい |
デメリット | 繁忙期(12〜5月)は激務になりやすい | 税理士登録実務にカウントされない場合がある |
会計事務所⇄経理の転職もアリ
会計事務所・経理で1度でも経験を積めば、会計事務所⇄経理間の転職もかなり容易に。
アンケートでも54.2%が「余裕」と回答しました。

経理で税理士試験の3〜4科目を取得→会計事務所へ転職。
かなりアリだと思うよ、会計事務所で試験勉強と両立は結構ハード。
実務経験を積める経理職を探すなら、経理職求人に強いジャスネットキャリアがおすすめ。
あわせて読みたい
税理士受験生へのアンケート結果

「あり」と答えた受験生が51.2%.
「勤続2年以上ならあり」も含めると77.4%が「経理転職はあり」と回答。
勤続2年で「税法科目の受験資格」「税理士登録に必要な実務経験」が得られます。
2年間頑張れば、その後のキャリア選択は自由です。

注意点は税理士登録時には所長のハンコが必要になる点。
転職・退職するなら円満退社を意識しましょう。
筆者は退職時にハンコを貰う約束をしました、口約束だけど。
未経験でも採用される人の特徴

会計業界は「常に勉強」が当たり前の世界。
未経験でも「これから勉強していく」という姿勢が見えれば採用されます。

スキルより“学ぶ姿勢”。
受験生というだけで評価されることも全然ある。
転職エージェントを使わなかった理由と今なら使う理由

10年前は転職エージェントがほぼ無かった
10年前は税理士・会計士特化の転職エージェントがほぼ存在せず、ハローワークや求人誌・知人紹介が主流でした。
求人の比較も条件交渉もできず、運任せの転職活動。

色々な事務所のHPを見て、情報収集する日々は大変でした。
今の受験生は情報も選択肢もあって羨ましい。
今なら転職エージェントを使う理由
- 勉強と両立できる求人を紹介してくれる(残業少・受験生OK)
- ブラック事務所を避けられる(内部情報あり)
- 会計事務所・経理両方を提案してくれる
- 書類・面接対策のサポートあり

筆者は面接で履歴書の漢字間違いを指摘され、「終わった」と思いましたw
転職エージェントは表には出ない情報を持っているので、環境の良い求人を教えてくれます。
未経験求人に強いツインプロの口コミ記事も参考にしてください。
転職エージェントって何してくれるの?
転職エージェントは、求職者と企業の間に立ってサポートしてくれる「転職のプロ」。
会計事務所や経理職を目指す未経験者にとっても、求人探しから内定までトータルで支援してくれます。
特に会計業界では、未経験者向けの求人や「受験生OK」「残業少なめ」といった条件付き求人は、 エージェント経由でしか見つからないケースが多いです。

転職エージェントを利用すれば、面倒な情報収集を代行してくれます。
あなたは自分の勉強に集中するだけでOK。
会計事務所に転職するベストな時期はいつ?【繁忙期と求人動向】

会計事務所への転職は、時期によって求人数や採用スピードが大きく変わります。
税理士試験のスケジュールや会計業界の繁忙期を意識して動くことで、希望条件に近い求人を見つけやすくなります。
転職しやすい時期(おすすめ)
繁忙期が終わった7〜11月の間がおすすめ。
この時期はどの会計事務所も暇なので、質問もしやすく、まったり仕事を覚えることができます。

小規模の会計事務所は教育制度が整っていない場合がほとんど。
閑散期を狙えば、仕事も教えてくれます。
避けたほうがいい時期(非推奨)
12月〜6月は避けたほうが無難。
年末調整・確定申告など、期限がある仕事なので新人にかまっている暇なんてありません。
皆ピリピリしてる雰囲気の中、素人丸出しの質問で先輩職員の手を止めさせるのは、なかなか勇気が必要です。

税理士試験後の9〜11月は、人の移動が活発になり、会計事務所側も新しい人材を採用しやすい時期。
受験を終えたばかりの人や、次年度に向けて実務経験を積みたい人には絶好のタイミングです。
まとめ|簿記・税理士受験生は今がチャンス。実務経験が未来を変える

人手不足の今こそ転職のチャンス。
実際に筆者も中卒ながら「大卒以上」の条件の事務所に採用されています。
表向きの求人票だけでは分からないこともあります。
転職エージェントを利用すれば「非公開求人」「採用側の本音」が分かり、スムーズに転職ができます。

まずは無料登録から、税理士への第一歩を踏み出しましょう。
おすすめの転職エージェントは別記事で紹介しています。