簿記2級を取得・勉強中の方がよく迷うのが「会計事務所と経理、どっちがいいの?」という問題。
どちらも会計を扱う仕事ですが、働き方・繁忙期・スキルアップの方向性がまったく異なります。
この記事では、未経験者が最初に選ぶべき実務環境をわかりやすく解説します。
まず押さえよう|会計事務所と経理の基本的な違い

会計事務所と経理の違いまとめ
簡単に言うと、会計事務所は「他社の会計を支える仕事」、経理は「自社の会計を管理する仕事」です。
会計事務所では、さまざまな企業の帳簿や申告を扱うため、税務の実務を幅広く学べて専門スキルが身につきやすい反面、確定申告期などの繁忙期は忙しくなりがち。
一方、経理は自社の会計を一貫して管理するため、会社の経営に近い立場で数字を扱うのが特徴。
業務は安定しており、ワークライフバランスを取りやすい傾向があります。
税務・専門スキルを極めたいなら会計事務所、安定して長く働きたいなら経理。
| 項目 | 会計事務所 | 経理 |
|---|---|---|
| 主な仕事 | 顧問先の帳簿作成・決算・税務申告など (外部企業を支援) | 自社の会計・請求・決算処理など (社内業務を管理) |
| 関わる範囲 | 多様な業種・企業を担当し幅広い経験が積める | 自社の会計を深く理解し、経営に近い立場で働く |
| 忙しい時期 | 確定申告期(2〜3月)・決算期(5月など) | 月末・四半期末・年度末など定期的な繁忙 |
| キャリア方向性 | 税理士・会計専門職・独立志向に向く | 管理職・財務・経営企画など企業内キャリア志向 |
| こんな人におすすめ | 専門スキルを磨きたい人・将来独立を目指す人 | 安定して長く働きたい人・経営数字に興味がある人 |
会計事務所で働くメリット・デメリット

会計事務所で働くメリット
会計事務所の職員は「たくさんの経営者と話せる」のが特徴。
他にこんな仕事はありません。
経営者は良くも悪くも「クセが強い」場合が多く、話を聞くだけでも勉強になります。
会計事務所で働くデメリット
税理士試験の突破を優先するなら、勉強時間の確保が最重要。
繁忙期に全然勉強できない状態では、合格は難しいです。
勉強時間の確保ができる職場への転職を検討しよう。
当ブログでは「最短1日で求人情報が届くヒュープロ」をおすすめしています。
経理で働くメリット・デメリット

経理で働くメリット
経理のメリットは「勉強時間の確保がしやすいこと」
会計事務所ほど繁忙期の残業がないのが特徴。
「まずは科目合格を積み上げたい」こんな人は経理から入るのもあり。
受験生へのアンケートでも50%以上が「経理はアリ」と回答しました。
経理で働くデメリット
当たり前ですが、会計事務所ほど色々なスキルは身につきません。
税理士として独立を目指すなら、どのルートでも最低2年。
会計事務所で働くことをおすすめします。
経理を目指すなら、経理特化のジャスネットキャリアの記事も参考にしてください。
どっちを選ぶべき?タイプ別おすすめ

税務・申告を学びたいなら会計事務所
税理士試験を目指す人には会計事務所がおすすめ。
申告書作成や巡回監査などを通じて、試験科目とリンクした実践知識が得られます。
安定した環境で働きたいなら経理
残業や繁忙期の影響を抑えたい人、ワークライフバランスを重視する人には企業経理が向いています。
経理経験は他業界でも通用します。
将来の独立・開業を視野に入れるなら会計事務所
顧問先対応や税務実務の経験が、独立時の即戦力に直結。
人脈構築にもつながります。
経営分析や財務に興味があるなら経理
企業の数字を内側から分析するため、財務・経営企画などへのキャリアアップが可能です。
簿記スキルを実務レベルに引き上げるなら

簿記で得た知識を実務で活かすには「税務・会計の流れ」を理解するのが近道。
無料で基礎から学べるCPAラーニングなら、会計事務所・経理どちらにも通じる知識を補強できます。
よくある質問(FAQ)

Q1. 会計事務所と経理、どちらが税理士試験の実務経験として認められますか?
一般的には、会計事務所での勤務が受験資格として認められやすいです。
ただし、企業経理でも「法人税申告」「決算書作成」など税務会計に関わる業務を行っていれば、実務経験として認定されるケースも。
Q2. 未経験から経理・会計事務所に転職する場合、まずはどんなスキルを身につければいいですか?
簿記2級の知識を実務レベルで使えるようにするのが第一歩。
特に「仕訳スピード」「月次決算の流れ」を理解しておくと即戦力になりやすいです。
無料で実務講座を学べる CPAラーニング のようなサービスを活用して、早めに慣れておきましょう。
Q3. 会計事務所から経理職へ、またはその逆に転職するのは難しいですか?
どちらも簿記・会計の基礎スキルが共通しているため、転職は十分可能。
会計事務所出身者は「税務に強い人材」として企業経理に重宝され、逆に経理出身者も「業務理解がある人材」として事務所に受け入れられやすい傾向があります。
実務経験さえ積めば、会計事務所⇄経理間の転職は容易になります。
受験生アンケートでも約55%が「余裕」と回答しました。
Q4. 残業や働き方の違いはどのくらいありますか?
繁忙期(2〜3月)の残業時間は会計事務所のほうが多めです。
経理は月末・決算期など波がありますが、全体的にワークライフバランスを取りやすい傾向。
ただし、繁忙度は「事務所の規模」や「上場企業か中小企業か」によっても変わります。
Q5. 将来的に独立やキャリアアップを考えるなら、どちらが有利ですか?
独立志向なら会計事務所、企業での安定やマネジメント志向なら経理が向いています。
どちらで経験を積んでも「会計・税務・財務スキル」は共通の武器に。
経験を重ねるほどキャリアの選択肢は広がります。
Q6. 実際にどんな求人が多いですか?
現在は会計業界の人手不足が進んでおり、未経験OKの求人も増加傾向です。
最新の求人は、ヒュープロ(会計事務所特化) や ジャスネットキャリア(経理特化) で確認するのがおすすめです。
まとめ|どっちが正解ではなく、どんな経験を積みたいかで選ぶ

会計事務所に向いている人
税務・申告・顧客対応を通じてスキルアップしたい人。
将来の独立や税理士試験を見据えるなら最短ルート。
経理に向いている人
安定した環境で長く働きたい人。
経営数字を扱いながらキャリアを広げたい人におすすめ。
スキルを磨いてから転職したい人
まずは簿記スキルを「実務で使えるレベル」に上げておきたい人は、無料で学べるCPAラーニングを活用しましょう。
キャリア全体を整理したい人へ
税理士試験の受験資格・実務経験2年ルール・転職ステップをまとめて確認したい方は、下記の記事で詳しく解説しています。