簿記2級を取った人や税理士試験を目指す人の中には、「会計事務所ってどんな仕事をしているの?」と気になる方も多いでしょう。
記帳代行・決算・確定申告など、専門用語が多くてイメージが掴みにくいですが、1年間の流れを知れば一気に理解が深まります。
この記事では、会計事務所の仕事内容・年間スケジュール・向いている人の特徴・未経験からの転職方法まで、わかりやすく解説します。
会計事務所の主な仕事内容

① 記帳代行・仕訳入力
クライアント(企業や個人事業主)から預かった領収書や通帳データをもとに、会計ソフトへ仕訳を入力します。
簿記2級で学ぶ内容がそのまま使えるため、未経験でも取り組みやすい業務です。

② 試算表・月次報告書の作成
入力したデータをもとに損益や資金繰りを確認し、月次報告書を作成します。
税理士が顧問先と面談する前に「数字を整える」重要な役割です。

新人が任せられるのは試算表の作成まで。
顧問先との面談は、基本的にベテラン職員や税理士が行います。
③ 決算業務・申告書作成補助
年度末には、減価償却や引当金などの税務調整を行い、税理士の指示で申告書を作成します。
簿記1級や税理士試験の「簿記論」「財務諸表論」で学ぶ内容が実務に直結します。

決算を組むには税法の知識が必要。
簿記の知識だけでは無理ですが、徐々に覚えていきましょう。
④ 確定申告・年末調整
個人事業主の確定申告(2〜3月)や会社員の年末調整(12〜1月)対応を行います。
短期間で多くの案件を処理する繁忙期ですが、経験を積むほど処理スピードと精度が上がります。

1年目は「全てが初めての業務」
無力感がハンパないですが仕方ありません。
2~3年すれば慣れるので我慢です。
会計事務所の1年間スケジュール

月 | 主な業務内容 | 法定期限・提出書類 | 繁忙度 |
---|---|---|---|
1月 | 年末調整、法定調書、償却資産申告 | ・源泉徴収票提出(1月31日)・法定調書合計表(1月31日)・償却資産申告書(1月31日) | ★★★★ |
2〜3月 | 確定申告(個人事業主)、住民税申告 | ・所得税確定申告(3月15日)・消費税確定申告(3月31日) | ★★★★★ |
4〜5月 | 3月決算法人の決算・申告 | ・法人税・地方法人税申告(決算月の翌々月末日)・消費税申告(同上)・事業概況説明書提出(同上) | ★★★★★ |
6〜8月 | 月次処理・夏季賞与計算 | ・特になし(定例報告・月次資料提出など) | ★★ |
9〜11月 | 年末調整準備・中間申告・顧問先訪問 | ・法人の中間申告(主に11月末) | ★★ |
12月 | 年末調整、法定調書準備、来年の契約更新 | ・年末調整(12月支給給与で実施)・源泉徴収票・法定調書準備開始 | ★★★ |
月次処理と顧問先訪問は毎月の業務。
12〜5月は月次処理・顧問先訪問にプラスして上記の業務が追加されます。
全て期限がある仕事なので、残業してでも終わらせる必要があります。

特に 2〜3月の確定申告期と4〜5月の決算期 は1年で最も忙しい時期。
転職するなら6月以降に面接、7〜11月に入社するのがおすすめ。
どんな人が向いている?会計事務所に合うタイプ

会計事務所の仕事は地道な業務が多い一方で、「資格」「経験」「信頼」が積み上がる世界。
将来的には税理士補助→担当者→税理士とステップアップできます。

税理士を目指してなくても会計事務所で経験を積めば、経理職への転職も容易になります。
未経験から会計事務所に入るには?【転職の流れ】

未経験でも、ステップを踏めば会計事務所への転職は十分可能です。
下記は実際の「転職ロードマップ」に沿った流れです。
① 簿記2級レベルを習得する
まずは簿記2級を目指して勉強を進めましょう。
資格取得はもちろん、勉強中でも応募可能な事務所が多いです。
② 転職エージェントに登録して求人を探す
会計業界は非公開求人が多く、一般転職サイトでは拾いきれません。
会計・税務に特化した転職エージェントに登録すれば、「未経験OK」「税理士受験生歓迎」など、希望に合った求人を紹介してもらえます。
③ 会計事務所に応募する
応募時は「簿記勉強中」「税理士試験科目合格」など学習意欲をしっかり伝えましょう。
未経験者でも「素直さ」「成長意欲」で採用されるケースが多いです。
④ 面接では勉強姿勢と継続力をアピール
税理士試験や簿記勉強を通じて培った継続力・計画力を具体的に伝えると好印象です。
会計事務所は「勉強を続けられる人」を高く評価します。

転職の流れを知りたい人は会計事務所転職ロードマップの記事もチェック。
未経験者が登録から内定まで進むためのステップを具体的に紹介しています。
まとめ:簿記・税理士試験と相性抜群。早めに現場を経験しよう

会計事務所の仕事は、数字を通して企業を支える専門職。
簿記2級レベルの知識があれば、実務を学びながら税理士試験の勉強にも活かせる理想的な環境です。
「まず現場で経験を積みたい」「税理士試験と両立できる職場を探したい」
そんな方は、まず会計業界専門のエージェントを活用して求人を比較してみましょう。
未経験でもチャンスは十分。
会計事務所での経験は、あなたの「資格」と「キャリア」の両方を育ててくれるはずです。